韓国のEC市場は、世界的に見ても目覚ましい成長を遂げており、日本企業にとっても魅力的な市場です。特に、地理的な近さや文化的な親和性から、日本製品に対する需要も高く、越境ECでのビジネスチャンスが広がっています。
この記事では、韓国越境EC市場への参入を検討している企業に向けて、弊社の販売実績に基づいた韓国ECプラットフォーム選びから物流、成功のための戦略まで、基礎知識を徹底的に解説します。これから韓国越境ECを始めたい方、すでに始めているけれどさらに売り上げを伸ばしたい方、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 韓国EC市場の現状と将来性
韓国のEC市場は、スマートフォンやインターネットの普及を背景に、驚異的な成長を遂げています。2023年には、その市場規模は200兆ウォンを超える見込みです。この成長を牽引しているのは、皆さんもご存じのモバイルショッピングです。手軽に商品を探し、購入できる利便性が、多くの消費者を惹きつけています。
特に注目されるカテゴリーは、ファッション、美容、食品、家電などです。K-POPや韓国ドラマの世界的な人気により、韓国コスメやファッションアイテムは日本を含む海外市場でも高い需要があります。これらの商品は、越境ECにおいても大きな成長の可能性を秘めており、今後さらに注目されるでしょう。
韓国はインターネット利用率が非常に高く、2023年時点でインターネット普及率は約96%に達しています。さらに、オンラインショッピングの利用率は70%以上であり、これには若年層だけでなく、中高年層も含まれます。このような高いデジタルリテラシーとオンラインショッピングの広がりは、越境EC事業者にとって大きなビジネスチャンスとなっています。
この記事の参照元
- Trade.gov: 2023年までの韓国のEC市場の成長率や市場規模に関するデータ(Trade.gov)。
- Pearson & Partners: 2023年の韓国EC市場の動向についての分析(Pearson Korea Blog)。
- JLL (Jones Lang LaSalle): 韓国における越境ECの拡大に伴う物流市場の変化や競争状況(JLL)。
- 11Streetの財務データ(SK Telecom,SK Telecom)
- Coupangの財務データ(Stock Analysis,Nasdaq)
- 市場調査レポート(GlobeNewswire,Korea JoongAng Daily)
- Pulse
- JETRO韓国における電子商取引(EC)市場調査(2020年3月)
- NAVERの公式報告書(NAVER Corporation,NAVER Corporation)
- SSG.comレポート(eCommerce Insights,eCommerce Insights)
2. 韓国で越境EC販売できる主要プラットフォーム
韓国では、多くのECプラットフォームが存在しており、その競争は非常に激化しています。その中から、弊社が実際に販売支援実績を持つ主要な越境ECプラットフォームを厳選してご紹介します。それぞれの特性を理解し、貴社の商品や戦略に最適なプラットフォームを見つけるための指針としてご活用ください。
2-1. Coupang:ロケット配送で急成長中のソーシャルコマース
Coupangは、韓国EC市場で圧倒的な存在感を放つプラットフォームです。その人気の秘密は、独自の物流システム「ロケット配送」。注文から最短翌日での配送を可能にし、顧客満足度を飛躍的に向上させています。
Coupangは、生鮮食品から家電まで幅広い商品カテゴリーを取り扱っており、日本の食品やコスメなども人気を集めています。顧客層は20代から40代が中心で、購買力が高く、トレンドに敏感な層が多いのが特徴です。
会社名 | coupang 株式会社 |
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ブランド | coupang |
業種 | 通信販売業 |
主要事業 | 電子商取引マーケットプレイス運営 |
2018年売上高 | 11,763,000,000ウォン |
2023年売上高 | 約30.66兆韓国ウォン |
URL | https://www.coupang.com/ |
2019年月間訪問者数 | 6,235,249人 |
(2024年3月)月間アクティブユーザー数 | 3,086万人 |
2-2. 11st:オープンマーケットと委託販売のハイブリッド型
11stは、オープンマーケットと委託販売という2つの販売形式を組み合わせたプラットフォームです。出品者にとっては、販売方法の選択肢が広がる点が魅力です。また、海外販売者向けのサポート体制も充実しており、韓国市場への参入をスムーズに進められます。
11stは、ファッション、ビューティー、食品、家電など、幅広いカテゴリーの商品を取り扱っています。海外商品専用のセクションもあり、日本製品も数多く出品されています。顧客層は30代から40代が中心で、品質やブランドを重視する傾向があります。
会社名 | 株式会社11番街 |
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ブランド | 11番街 |
主要事業 | 電子商取引マーケットプレイス運営 |
2018年売上高 | 228,000,134,000ウォン |
2023年売上高 | 約8650億韓国ウォン |
URL | https://www.11st.co.kr/ |
2019年月間訪問者数 | 7,690,906 人 |
(2024年3月)月間アクティブユーザー数 | 740万人 |
2-3. NAVER SHOPPING (SmartStore):韓国最大の検索ポータルNAVERが運営
SmartStoreは、韓国最大の検索ポータルサイトであるNAVERが運営するECプラットフォームです。NAVERの圧倒的な集客力を活かし、多くの潜在顧客へのアプローチが可能です。
SmartStoreの特徴は、データ分析やAI技術を活用した商品推薦システムなど、最新のテクノロジーを駆使した販売支援ツールが充実している点です。また、小規模事業者でも手軽に出店できるため、韓国EC市場への参入障壁が低いのも魅力です。(ただし、出店審査は厳しめ)顧客層は幅広く、特に20代から30代の若い世代からの支持が高いです。
会社名 | NAVER株式会社 |
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ブランド | NNAVER SHOPPING (SmartStore) |
業種 | ポータルおよびその他のインターネット情報仲介サービス業 |
主要事業 | 電子商取引仲介 |
2018年売上高 | 5兆5,869億ウォン |
2023年売上高 | 約1.46兆韓国ウォン |
URL | https://shopping.naver.com/ |
2-4. Gmarket:eBay Korea傘下、グローバル展開も積極的なオープンマーケット
Gmarketは、韓国EC市場で長年の実績を持つ大手オープンマーケットです。多言語対応や豊富な商品カテゴリーが特徴で、世界中から多くのユーザーを集めています。
eBay Korea傘下であるため、世界的な知名度と信頼性も大きな強みです。また、海外販売者向けのサポートも充実しており、越境ECに最適なプラットフォームと言えるでしょう。顧客層は30代から40代が中心で、価格に敏感な層が多いのが特徴です。
2-5. Auction:eBay Korea傘下、C2C取引も可能なオープンマーケット
Auctionも、Gmarket同様、eBay Korea傘下のオープンマーケットです。特徴的なのは、企業と消費者間の取引(B2C)だけでなく、消費者間取引(C2C)も可能な点です。
中古品やハンドメイド商品などを販売したい場合、Auctionは有力な選択肢となります。また、Gmarketと同様に海外販売者向けのサポートも充実しています。顧客層は40代以上が中心で、掘り出し物や希少価値のある商品を求める傾向があります。
会社名 | 株式会社eBay Korea |
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ブランド | Auction、Gmarket、G9 |
主要事業 | オンライン流通および電子商取引マーケットプレイス運営 |
2018年売上高 | 981,150,969,118ウォン |
URL | http://ebay.auction.co.kr/ |
2018年月間訪問者数(Auction) | 8,166,228 人 |
2018年月間訪問者数(Gmarket) | 7,999,062 人 |
2024年3月月間アクティブユーザー数(Gmarket) | 約548万人 |
2-6. SSG.COM:新世界グループの総合モール、オンライン食料品市場に注力
SSG.COMは、韓国の大手流通企業である新世界グループが運営する総合モールです。食品、日用品、ファッションなど、幅広いカテゴリーの商品を取り扱っています。
特に注力しているのはオンライン食料品市場で、生鮮食品の配送インフラも充実しています。食品関連の越境ECを考えている企業にとって、SSG.COMは魅力的なプラットフォームと言えるでしょう。顧客層は40代が中心で、高品質な商品を求める傾向があります。
会社名 | 株式会社SSG.COM 55 |
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ブランド | SSG.COM |
業種 | 無店舗小売業 |
主要事業 | 電子商取引マーケットプレイス運営 |
2019年売上高 | 8,779億714万ウォン |
2023年売上高 | 約1.6兆韓国ウォン |
URL | http://www.ssg.com/ |
2019年月間訪問者数 | 3,492,105 人 |
2-7. GS SHOP:GSグループの総合モール、TVショッピングとの連携も
GS SHOPは、韓国のGSグループが運営する総合モールです。TVショッピングとの連携が特徴で、テレビで紹介された商品をそのままオンラインで購入できる点が強みです。
幅広い年齢層の顧客を抱えており、多様な商品カテゴリーを取り扱っているため、様々な商品を販売するチャンスがあります。
会社名 | 株式会社GSホームショッピング |
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ブランド | GS SHOP |
業種 | TV放送業 |
主要事業 | 商品の流通及び通信販売 |
2019年売上高 | 889,974百万ウォン |
URL | https://www.gsshop.com/ |
2-8. LOTTE ON:ロッテグループの総合モール、オムニチャネル戦略を推進
LOTTE ONは、韓国のロッテグループが運営する総合モールです。オンラインとオフラインの連携を強化したオムニチャネル戦略を推進しており、実店舗との相乗効果も期待できます。
ロッテグループは、訪日韓国人観光客にも馴染み深い企業であるため、日本製品に対する親近感や信頼感も高いです。多様な商品カテゴリーを取り扱っており、日本製品の販路拡大に貢献してくれるでしょう。顧客層は幅広く、特に30代から50代の女性からの支持が高いです。
会社名 | ロッテショッピング株式会社 |
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ブランド | ロッテドットコム |
業種 | デパート |
主要事業 | 電子商取引マーケットプレイス運営 |
2019年売上高 | 13,307,994百万ウォン |
URL | https://www.lotteshopping.com/ |
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busan.com
3. プラットフォーム別の特徴と比較
各プラットフォームには、それぞれ異なる特徴があります。手数料、出店条件、顧客層、集客力などを比較検討し、自社商品や販売戦略に最適なプラットフォームを選びましょう。
※プラットフォーム別の特徴と比較の詳細記事については後日作成予定です
4. 越境ECで成功するための販売戦略
韓国のEC市場で成功するためには、適切な販売戦略を立てることが重要です。商品選定、価格設定、プロモーション、カスタマーサポートなど、様々な要素を考慮する必要があります。
※越境ECで成功するための販売戦略についての詳細は後日作成予定です
4-1. 商品選定:韓国市場で求められる商品とは?
韓国の消費者は、品質が高く、トレンドに敏感で、デザイン性の高い商品を求める傾向があります。また、日本製品に対する信頼感も高いため、日本ならではの技術や品質をアピールすることも有効です。
具体的には、以下のような商品が人気だと言われていますが、実際に販売していみるとすべてのジャンルの日本製品が人気だということが分かります。
- 美容・コスメ: 韓国は美容大国であり、日本製の化粧品や美容家電は高い人気があります。
- ファッション: 日本のファッションは、韓国の若者を中心に人気があります。特に、シンプルで洗練されたデザインが好まれます。
- 食品: 日本の食品は、品質の高さや安全性が評価されています。特に、お菓子や調味料、健康食品などが人気です。
- ベビー用品: 日本のベビー用品は、安全性や機能性が高く評価されています。
※韓国市場で求められる商品についての詳細は後日作成予定です
4-2. 価格設定:競合との比較、関税・送料などを考慮
価格設定は、競合との比較や、関税、送料などを考慮して慎重に行う必要があります。韓国の消費者は価格に敏感な一方で、品質の良い商品にはある程度の価格を支払うこともいとわない傾向があります。
適切な価格設定を行うためには、市場調査を行い、競合商品の価格や、韓国の消費者の購買意欲などを分析することが重要です。
4-3. プロモーション:効果的なマーケティング手法
韓国では、SNSやインフルエンサーマーケティングが非常に盛んです。これらの手法を効果的に活用することで、商品の認知度を高め、購買意欲を高めることができます。また、韓国語での情報発信や、韓国の文化に合わせたプロモーションを行うことも重要です。例えば、韓国では季節のイベントや記念日を重視する傾向があるため、それに合わせたキャンペーンを実施することで、消費者の関心を集めることができます。
4-4. カスタマーサポート:韓国語対応の重要性
韓国語でのカスタマーサポートは必須です。問い合わせやクレームに迅速かつ丁寧に対応することで、顧客満足度を高め、リピーターの獲得にもつながります。また、韓国の消費者は、コミュニケーションを重視する傾向があるため、親しみやすい対応を心がけることも大切です。
※韓国語でのカスタマーサポートの詳細は後日作成予定です
5. 韓国越境ECの物流と決済
越境ECでは、物流と決済も重要な要素です。これらのプロセスをスムーズに進めることで、顧客満足度を高め、ビジネスの成功に繋げることができます。
5-1. 配送方法:国際郵便、国際宅配便、海外配送代行サービス
配送方法には、船便、国際宅配便、海外配送代行サービスなど、様々な選択肢があります。配送スピードやコスト、商品の種類などを考慮して、最適な方法を選びましょう。
- 船便: 低コストですが、配送スピードが遅く、追跡が難しい場合があります。
- 国際宅配便(クーリエ): 配送スピードが速く、追跡も可能ですが、コストが高くなります。
- 海外配送代行サービス: 梱包や配送手続きを代行してくれるため、手間を省くことができます。
※韓国物流の詳細記事については後日作成予定です
5-2. 決済方法
韓国のECモールでは、基本的にモール側が決済システムを提供しているため、販売事業者が個別に決済方法を指定する必要はありません。主要なクレジットカード、PayPal、さらには韓国独自の便利な決済サービスなど、多様な決済手段に対応しているため、顧客は自分に合った方法でスムーズに支払いを済ませることができます。
例えば、NAVER PayやKakao PayNaver PayやSamsung Payといった現地決済サービスは、韓国の消費者に広く普及しており、高い利便性を誇ります。
越境ECにおいても、これらの決済手段は利用可能です。そのため、販売事業者は、複雑な決済システムの構築や管理に頭を悩ませることなく、商品販売に集中できます。安心して韓国EC市場への参入を進めましょう。
5-3. 関税・輸入規制:事前に確認すべきポイント
韓国への輸出には、関税や輸入規制が適用される場合があります。事前にこれらの情報をしっかりと確認し、問題なく商品を届けられるように準備しておくことが重要です。
特に、食品や化粧品、医薬品などは、輸入規制が厳しく、必要な手続きや書類の準備に時間がかかる場合があります。専門家のサポートを受けるなど、スムーズに手続きを進められるように準備を進めましょう。
※韓国物流における関税・輸入規制の詳細記事については後日作成予定です
6. まとめ|韓国越境EC、成功への第一歩
韓国EC市場の成長は目覚ましく、越境ECはその可能性をさらに広げるチャンスとなります。しかし、成功には適切なプラットフォーム選び、そして韓国市場への深い理解と戦略が不可欠です。
この記事で紹介した主要プラットフォームの特徴を参考に、自社の商品やターゲットとする顧客層に合ったプラットフォームを選び、効果的な販売戦略を展開しましょう。
韓国越境ECへの挑戦は、貴社の新たな成長への第一歩となるでしょう。
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