越境EC 入門

【越境EC事業者必見!】消費税還付で利益を最大化!申請方法と注意点

2024.08.20

越境EC 入門.3 「【越境EC事業者必見!】消費税還付で利益を最大化!申請方法と注意点」_20240820

海外への商品販売、つまり越境ECでは、実は支払った消費税の一部が戻ってくる「消費税還付」という制度があります。

しかし、この還付手続き、実は非常に複雑で、専門的な知識が必要となります。

自分で申請しようとすると、時間と手間がかかるだけでなく、書類の不備や申請ミスで還付を受けられない可能性も。

そこで、この記事では、消費税還付をスムーズに受けるためのポイントをわかりやすく解説します。

1. 消費税還付とは?

消費税還付とは、国内で商品を仕入れたり、越境EC事業に必要な経費を使った際に支払った消費税を、輸出など特定の取引を行った際に、国から払い戻してもらう制度です。

例えば、あなたが1,000万円(税抜)の商品を1,100万円(税込)で仕入れ、それを1,500万円(税抜)で海外に輸出したとしましょう。

  • 国内仕入れ:1,000万円(税抜) + 消費税100万円 = 1,100万円(税込)
  • 海外販売:1,500万円(税抜)

この場合、あなたは400万円の利益を得ることができますが、それだけではありません。

仕入れ時に支払った消費税100万円も、還付を受けることができます。

もちろん、実際には、その他にも様々な費用が発生します。

例えば、越境ECモールへの手数料や外注費等も事業を行う上で必要な経費です。

そして、これらの経費にも消費税が含まれているため、還付の対象となる可能性があります。

ですが、話をシンプルにするために、ここではこれらの費用は省略して説明します。

還付金を含めると、利益400万円 + 還付金100万円 = 合計500万円 の利益を得ることができるのです。

このように、消費税還付は、越境EC事業者にとって、海外販売の利益に加えて、さらなる利益をもたらす非常に重要な制度なのです。

トヨタ自動車の消費税還付金額は数千億円規模に上っています。

2. 消費税還付の対象を教えてください

消費税還付の対象となるのは、主に以下の費用です。

  • 仕入にかかる消費税:商品を仕入れる際に支払った消費税が還付対象となります。
  • 輸出関連費用にかかる消費税:商品の梱包材・発送代行作業費など、輸出に関わる費用に含まれる消費税も還付対象です。ただし海外送料自体は還付対象ではありません。
  • その他の間接的な費用にかかる消費税:広告宣伝費、通信費、事務所賃料など、事業を行う上で必要な費用に含まれる消費税も、一定の条件を満たせば還付対象となります。

3. 消費税還付は何カ月ごとにもらえるの?

消費税の還付の対象期間(消費税還付される期間)は、1か月、3か月、6か月、12か月 から選択できます。これを課税期間といいます。

一度課税期間を選択すると、原則として2年間は変更できません。

課税期間の選択は、事業の規模や特性、資金繰りの状況などを考慮して慎重に行う必要があります。

例えば、

  • 輸出取引が多く、還付金額が大きい事業者は、資金繰りを改善するために、短い課税期間(1か月や3か月)を選択することが有利な場合があります。→弊社も3か月を選択しています。
  • 輸出取引が少ない事業者は、事務処理や税理士費用の負担を軽減するために、長い課税期間(12か月)を選択することが有利な場合があります。

課税期間の選択や変更に関する詳細は、国税庁のウェブサイトや消費税還付に詳しい税理士に相談することをおすすめします。

参考資料国税庁 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

4. 消費税還付を受けるために必要な書類

消費税還付を受けるためには、以下の書類が必要となります。

  • 輸出許可通知書:税関が発行する書類で、商品の輸出を証明します。
  • インボイス:取引の内容を記載した書類で、輸出先の相手方に発行します。
  • 消費税及び地方消費税の確定申告書:消費税の確定申告を行う際に提出する書類です。
  • 消費税の還付申告に関する明細書:還付対象となる取引の内容を詳細に記載する書類です。
  • 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表:課税売上高に対する輸出免税売上高の割合などを計算する書類です。

これらの書類は、すべて正しく作成し、漏れなく提出する必要があります。

書類作成には専門的な知識が必要となるため、後述する海外ECに詳しい税理士さんや消費税還付に対応している発送代行業者に依頼することをおすすめします。

5. 海外発送を発送代行業者に任せている場合の消費税還付

海外発送を発送代行業者に依頼している場合でも、消費税還付を受けることは可能です。

しかし、手続きは少し複雑になります。

輸出者があなたの会社である場合と、発送代行業者が輸出者となる場合では、消費税還付に関していくつかの重要な違いがあります。

それぞれのケースについて詳しく説明します。

あなたが輸出者となる場合

このケースでは、あなたの会社が正式な輸出者として扱われます。

還付手続きが比較的シンプルで、輸出免税を直接適用できるため、消費税還付に詳しい税理士さんがいれば消費税の還付をスムーズに受けることが可能です。

発送代行業者が輸出者となる場合

このケースでは、発送代行業者が輸出者として扱われます。

実際には発送代行業者が輸出者となっているケースが多いので詳しく解説してきます。

特性と要件:

  • 輸出取引の名義: 輸出許可通知書やインボイスなどの書類には、発送代行業者の名前が輸出者として記載されます。この場合、あなたの会社は輸出者として認められず、消費税の輸出免税を直接受けることはできません。
  • 輸出免税の適用: 発送代行業者が輸出者として輸出免税の適用を受けるため、あなたの会社は消費税の還付を受けることが難しくなります。あなたの会社が輸出者として還付を受けたい場合、手続きが複雑になります。
  • 書類の整備: 発送代行業者が作成する輸出許可通知書やインボイスが使用されるため、あなたの会社はこれらの書類を直接管理できません。また、還付を申請する際に必要な証拠書類を揃えるのが困難になる場合があります。

上記のように発送代行業者が輸出者となっている場合は消費税還付を受けれないので、発送代行業者に協力してもらい、実際の輸出者はあなたということを税務署に対して証明する作業が必要となります。

その際に必ず必要な書類は以下の2点です。

・輸出許可通知書(あなたが発送した件数分の輸出許可通知書を発送代行業者からもらってください)

消費税輸出免税不適用連絡一覧表(発送代行会社に対して発行して、発送代行会社から印鑑をもらうことにより実際の輸出者は自社であることを対税務署に主張ができるようになります)

※インボイスは不要なことも多いので必須書類には挙げていませんが、もし税務署から求められた場合はあなたが発送した件数分のインボイスを発送代行業者からもらってください

上記の書類を発送代行業者からもらえれば問題なく消費税還付を受けることができるので安心してください。

逆に上記の書類を準備できない発送代行業者を利用している場合は、消費税還付を受けれない可能性があるのですぐに利用を停止することをオススメします。

6. なぜ消費税還付は税理士さんに依頼するべきなのか?

消費税還付の手続きは、複雑で専門的な知識が必要となります。

自分で申請しようとすると、多くの時間と手間がかかるだけでなく、書類の不備や申請ミスで還付を受けられない可能性もあります。

税理士さんに依頼することで、これらのリスクを回避し、スムーズに還付を受けることができます。

税理士さんは、税務に関する専門家として、あなたの代わりに複雑な手続きを行い、還付漏れを防いでくれます。

また、税務調査が入った場合でも、適切に対応してくれるので安心です。

海外EC・消費税還付に強い税理士さんを選ぶことが重要

ただし、すべての税理士さんが越境ECや消費税還付に精通しているわけではありません

視力が落ちた時に眼科医を受診するように、専門外のお医者さんに依頼すると、適切な診断や治療を受けられず、症状が悪化してしまう可能性があります。

消費税還付においても同様で、専門知識のない税理士さんに依頼すると、還付額が減ってしまうだけでなく、最悪の場合、還付自体を受けられなくなる可能性もあります。

そのため、海外ECや消費税還付に強い税理士さんを選ぶことが非常に重要です。

専門知識と経験を持つ税理士さんに依頼することで、安心して還付手続きを進めることができます。

安心して還付手続きを進めるために、税理士選びは慎重に行いましょう。

7.消費税還付で利益を最大化する方法

消費税還付を最大限に活用し、利益を最大化するためには、以下のポイントを押さえることが重要です。

  • 還付対象となる費用の把握: 輸出にかかる費用だけでなく、広告宣伝費や通信費など、間接的な費用も還付対象となる場合があります。 対象となる費用を漏れなく把握し、申請することが重要です。
  • 適切な書類の準備と保管: 還付申請には、輸出証明書やインボイスなど、様々な書類が必要となります。 これらの書類を適切に準備し、保管しておくことで、スムーズな還付申請が可能になります。
  • キャッシュフローを考慮した対象期間の設定:輸出取引が多く還付金額が大きい事業者は短い課税期間を選択することで資金繰りを改善でき、輸出取引が少ない事業者は長い課税期間を選択することで事務処理や税理士費用の負担を軽減できます。
  • 申請期限の厳守: 消費税還付には申請期限があります。 期限を過ぎてしまうと還付を受けられなくなるため、余裕を持って税理士さんへ書類を提出して申請手続きを行ってもらいましょう。
  • 専門家への相談: 還付手続きは複雑で、専門的な知識が必要となります。越境ECに詳しい 税理士さんや消費税還付に対応している発送代行業者に相談しましょう。 専門家のサポートを受けることで、還付漏れを防ぎ、最大限の還付を受けることができます。

これらのポイントを押さえることで、消費税還付を最大限に活用し、越境ECビジネスの利益を最大化することができます。

8. まとめ【越境EC事業者必見!】消費税還付で利益を最大化!申請方法と注意点

この記事では、越境ECにおける消費税還付について解説しました。

消費税還付は、事業者にとって大きなメリットとなりますが、手続きが複雑なため、海外ECに詳しい税理士さんや消費税還付に対応している発送代行業者に依頼することをおすすめします。

プロに任せることで、あなたは安心して本業に集中し、事業の成長に専念できます。

消費税還付を有効活用し、あなたの越境ECビジネスをさらに発展させていきましょう。

株式会社WADACHIは、越境ECモール販売実績30サイト以上、越境EC輸出配送実績10万件以上、越境EC流通総額67億円以上の実績を持つ、越境EC販売・物流の専門家です。

消費税還付にも対応している発送代行事業も展開しており、安心して手続きをお任せいただけます。

この記事が、あなたの越境ECビジネスの発展に少しでもお役に立てれば幸いです。

もし、消費税還付についてさらに詳しく知りたい場合は、お気軽に専門家にご相談ください。

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WADACHIでは、これまで30サイト以上の海外越境ECモール、自社越境ECサービスで販売してきた経験や、10万件以上輸出配送をしてきた実績を元に、海外輸出ECに関するお悩み相談を"無料で実施"しています。

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