越境ECで成功を収めるには、最適な配送業者を選ぶことが欠かせません。
しかし、数多くの配送業者の中からどれを選べば良いのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこで、越境EC流通総額67億円以上、10万件以上の配送実績を持つ株式会社WADACHIが、配送業者選びのポイントを徹底解説します。
実際に利用した経験に基づく具体的な比較表もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
1. 越境ECで配送業者を選ぶ時のポイント9選
1-1. 配送にかかる日数:顧客満足度とリピート率を左右する重要ポイント
配送にかかる日数は、顧客満足度とリピート率に直結する非常に重要な要素です。
なぜなら、現代の消費者は「欲しいと思った商品をすぐに手に入れたい」という傾向が強いためです。
特に、ECサイトでは実店舗のように商品を直接手に取ることができないため、配送スピードは顧客体験の重要な部分を占めます。
迅速な配送は、顧客の期待に応え、安心感と満足感を与えることで、ポジティブな印象を形成します。
結果として、顧客は再びあなたのショップで購入してくれる可能性が高まります。
一方で、低価格帯の商品や、急を要しない商品の場合、低価格な配送業者を選ぶことでコストを抑え、商品価格に還元することも可能です。
大切なのは、あなたの越境ECビジネスのターゲット顧客や、取り扱う商品の特性を深く理解した上で、最適な配送日数と価格のバランスを見つけることです。
配送スピードが顧客満足度やリピート率に与える影響を理解し、慎重に検討しましょう。
1-2. 配送料金:利益を左右するコスト要因
配送料金は、越境ECの収益に大きく影響するコスト要因です。
配送先の国や地域、商品のサイズや重量によって料金が大きく変動するため、事前に複数の業者を比較検討し、最適な業者を選ぶことが重要です。
海外配送業者の多くは実重量(実際の重さ)ではなく、実重量(実際の重さ)と容積重量の大きい方の重量をベースに配送料金が決まるので、注意が必要です。
また、配送代行業者を利用して海外配送を行う場合も注意が必要で、利用する配送代行業者によって金額が大きく異なるので事前に複数の業者を比較検討しておきましょう。
1-3. 補償:万が一のトラブルに備えた安心材料
国際配送では、紛失や破損などのトラブルが発生するリスクが常に存在します。
万が一の事態に備えて、配送業者が提供する補償内容をしっかりと確認しておきましょう。
標準補償の有無、追加補償の有無、補償金額の上限、補償対象となる範囲などを事前に把握しておくことで、安心して越境ECビジネスを展開できます。
特に高額な商品や壊れやすい商品を扱う場合は、追加補償が充実している業者を選ぶことが重要です。
1-4. 配送可能なサイズと重さ:取り扱い商品に合わせた業者選びを
配送業者によって、配送可能なサイズと重量に制限があります。
事前に確認しておかないと、発送できない商品が出てしまい、越境ECモールのアカウントヘルスの低下や顧客満足度の低下や機会損失に繋がります。
あなたの越境ECビジネスで取り扱う商品のサイズと重量を把握し、それに対応できる配送業者を選びましょう。
1-5. 追跡サービス:顧客の安心感を高める必須機能
荷物の配送状況を確認できる追跡サービスは、顧客満足度向上に欠かせません。
追跡サービスがあれば、顧客はリアルタイムで荷物の配送状況を確認できるため、安心して商品到着を待つことができます。
また、万が一のトラブルが発生した場合にも、迅速に対応することができます。
現代のEC利用者は、配送状況を常に把握したいというニーズが高いため、追跡サービス有は必須の条件と言えるでしょう。
1-6. 受け取り方法や時間の変更:顧客の利便性を高める柔軟な対応
顧客の都合に合わせて、受け取り方法や時間を変更できる柔軟な対応は、顧客満足度向上に繋がります。
自宅での受け取りだけでなく、宅配スポットや郵便局など、顧客が都合の良い場所で受け取れるようにすることで、利便性を高め、再配達の手間を省くことができます。
また、時間指定配送や、不在時の置き配、再配達依頼など、顧客のライフスタイルに合わせた柔軟な対応も重要です。
上記が利用できる国際配送業者は限られていますが、利用できる場合は積極的に活用しましょう。
1-7. 配送業者は複数でもOK:状況に応じた使い分けで効率化
状況に応じて複数の配送業者を使い分けることで、コスト削減や顧客満足度向上を実現できます。
例えば、
- 急ぎの注文には迅速な配送業者(お急ぎ注文やドロップシッピング注文等)
- 価格重視の場合は低価格な業者(配送業者によって配送料は全く異なります)
- 特定の国への発送に強い業者(通関時・返品時・ラストマイル配送等が有利になります)
など、状況に合わせて使い分けることで、より効率的かつ効果的な配送が可能になります。
1-8. 越境ECの状況によって発送方法を選ぶ:最適な発送方法でコストとスピードのバランスを
越境ECでは、顧客満足度とコスト効率のバランスを考慮して最適な発送方法を選ぶことが重要です。
配送先の国や地域、商品の種類、顧客のニーズなどを考慮し、航空便(各国の郵便局)や国際宅配便(クーリエ)など、適切な発送方法を選択しましょう。
例えば、
- 高額商品や緊急性の高い荷物: 迅速かつ補償も充実していて安全な国際宅配便(クーリエ)
- 比較的安価な商品や軽量物: コストを抑えられ通関も比較的緩い航空便(各国の郵便局)
- 顧客の利便性を重視する場合: Door-to-doorで速達配送可能な国際宅配便(クーリエ)
など、状況に応じて使い分けることで、コストとスピードのバランスを最適化し、顧客満足度向上に繋げることができます。
越境ECにおいては、船便は配送日数が長すぎるため、顧客体験を損ない、機会損失に繋がる可能性があります。
そのため、弊社では基本的に船便は利用せず、航空便や国際宅配便を中心としたスピーディーな配送を心掛けています。
1-9. 越境ECモールの規約に準じた配送が可能か:必須条件を見落とさない
そして、最も重要なのは、利用する越境ECモールの規約に準じた配送が可能かどうかです。
- 海外ECモールで指定されている期限までに出荷通知や配送が可能か? モールによっては、注文確定後や入金確認後、一定時間内に出荷通知や実際の配送完了が求められる場合があります。
- 関税が発生した場合、荷送人が支払うことができるか?(関税の元払い可能か?) 輸出先の国によっては関税が発生し、受取人が負担することになる場合があります。しかし、一部のECモールでは、荷送人(販売者)が関税を負担する必要があるケースもあります。
- IOSS等の制度に対応しているか? EU圏への輸出においては、IOSS(Import One-Stop Shop)などの制度への対応が必須となる場合があります。配送業者がこれらの制度に対応しているか確認しましょう。
- 住所変更に対応しているか? 海外発送では、住所間違いや転居などによる住所変更が発生する可能性があります。配送業者が柔軟に住所変更に対応できるかどうかも重要なポイントです。
- 配達時の写真を提供してくれるか? 配達完了の証拠として、配達時の写真を提供してくれる配送業者を選ぶことで、トラブル発生時の対応をスムーズに行えます。
- 配達証明を発行してくれるか? 配達証明は、商品が確かに配達されたことを証明する書類です。特に高額商品を扱う場合は、配達証明を発行してくれる業者を選びましょう。
これらのポイントを踏まえ、自社の越境ECビジネスにとって最適な配送業者を選び、顧客満足度向上とビジネスの成長を目指しましょう。
2. 【海外業者】越境ECで使える配送業者4選
海外の配送業者を利用することで、より広範囲な配送が可能になります。
ここでは、弊社が実際に利用している4社をご紹介します。
3-1. DHL
世界最大の国際物流企業です。
- 対応エリア(配送可能国): 世界約220の国と地域
- オススメの対応エリア: ヨーロッパ、オセアニア、北米
- 特徴: グローバルな配送網、配送日数が短い、カスタマーサポートが丁寧、サービスや補償が充実
- 弊社でも越境ECの発送に一番よく利用しており、そのスピードと信頼性には定評があります。
- ただし、定価料金は高いので物量に応じたディスカウントをもらわないと利用は厳しいです。
3-2. FedEx
アメリカの大手国際物流企業です。
- 対応エリア(配送可能国): 世界約220の国と地域
- オススメの対応エリア: 北米
- 特徴: 北米向けの発送に強い、配送日数が短い、サービスや補償が充実
- 弊社でも北米向けの発送によく利用しており、スピードと信頼性には定評があります。
- ただし、FEDEXも定価料金は高いので物量に応じたディスカウントをもらわないと利用は厳しいです。
3-3. UPS
アメリカの大手国際物流企業です。
- 対応エリア(配送可能国): 世界約220の国と地域
- オススメの対応エリア: 北米
- 特徴: BtoB配送が強い、配送日数が短い、サービスや補償も充実
- 越境ECへの参入は他のクーリエより遅く、BtoCに関しての使用頻度は少ないですがBtoB向けで一度に沢山の商品を海外へ配送する場合の送料ディスカウントは大きいです。例:AmazonFBAへの納品等
3-4. ACI
韓国に本社を置く国際物流企業です。
- 対応エリア(配送可能国): 韓国
- オススメの対応エリア: 韓国
- 特徴: 韓国向けの発送に強い、コストパフォーマンスが高い、英語・韓国語で対応が必要
- 弊社でも韓国向けの発送に多用しており、コストパフォーマンスの高さに魅力を感じています。
- 韓国の大手ECモールと連携している為、通関や返品対応等がスムーズ
2. 【国内業者】越境ECで使える配送業者4選
日本国内の配送業者でも越境ECに対応している業者がいくつかあります。
ここでは、弊社が実際に利用している4社をご紹介します。
2-1. 日本郵便EMS(国際スピード郵便)
日本郵便が提供する国際スピード郵便サービスです。
- 対応エリア(配送可能国): 世界約120の国と地域
- オススメの対応エリア: アジア(1kg以下の軽量帯のみ)
- 特徴: 誰でも手軽に利用できる、配送日数が比較的短い
- 弊社でも以前は頻繁に利用しており、軽量物の発送に重宝していましたが値上げが続き、現在の料金は高いのでほとんど利用していません。コストを抑えたい場合は他の選択肢も検討してみましょう。
2-2. 佐川急便(飛脚グローバルポスト便)
国内配送で高いシェアを誇る佐川急便も、越境ECに対応しています。
郵便局と佐川が協働提携しているサービス「飛脚グローバルポスト便」等がある。
- 対応エリア(配送可能国): 世界約120の国と地域
- オススメの対応エリア: アジア(1kg以下の軽量帯のみ)
- 特徴: 佐川独自のシステム有、国内配送と連携した集荷サービスあり、配送日数が比較的短い、アジアの軽量帯以外は高い
- 実績がなくても国内配送物量も考慮して海外配送料金をディスカウントしてくれる場合がある
- 佐川が郵便局との間に入ってくれるので海外配送の面倒なやり取りを一切しなくても良い
- 国内配送のメインが佐川かつ国内物量が多い方は一度佐川に相談してみてください。
2-3. ECMS
ECMSは、アジア・東南アジアに特化した国際物流サービスです。
- 対応エリア(配送可能国): アジア・東南アジア・北米・オセアニア・南米
- オススメの対応エリア: アジア・東南アジア
- 特徴: アジア・東南アジアの定価送料が安い、充実したカスタマーサポート
- 定価送料が安い為、物量が少なく送料ディスカウントが取れない初心者の方にもおすすめ(指定倉庫に直接持ち込み)
- アジア・東南アジア以外でも配送地域は拡大しているので今後に期待の配送業者
2-4. スコア・ジャパン
スコア・ジャパンは、日中間の物流に強みを持つ国際物流企業です。
- 対応エリア(配送可能国): 中国、香港、台湾、アメリカ
- オススメの対応エリア: 中国
- 特徴: 中国向け配送がメインの国際宅配事業。(中国からの輸入も可能)
- 自社の状況に応じて柔軟な配送プランを提供してくれます。
- 2024年からUPSとの協働によるアメリカ越境EC向けの配送も開始。対象エリアも順次拡大中とのことなので今後に注目です。
4. 越境EC向け配送業者の8社比較表
配送業者 | 対応エリア(配送可能国) | オススメの対応エリア | 配送日数の目安 | 料金 | 追跡サービス | 補償 | 使用頻度 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
DHL | 約220 | ヨーロッパ、北米、オセアニア | 1~4日 | 物量による | あり | あり | ◎ |
FedEx | 約220 | 北米 | 2~5日 | 物量による | あり | あり | ◎ |
UPS | 約220 | 北米(BtoB) | 2~5日 | 物量による | あり | あり | △ |
ACI | 韓国 | 韓国 | 3~7日 | 低価格 | あり | あり | ◎ |
日本郵便EMS | 約120 | アジア(軽量帯のみ) | 3~7日 | 高め | あり | あり | × |
佐川急便 | 約120 | アジア(軽量帯のみ) | 3~7日 | やや高め | あり | あり | 〇 |
ECMS | 世界各地 | 東南アジア | 3~11日 | 低価格 | あり | あり | 〇 |
スコア・ジャパン | 中国 香港 台湾 アメリカ | 中国 アメリカ | 4~8日 | 低価格 | あり | あり | 〇 |
5. まとめ|配送業者選びで越境ECを成功させよう
越境ECにおいて、配送業者の選択は非常に重要です。
配送にかかる日数、料金、補償内容、配送可能なサイズと重量、追跡サービスの有無、受け取り方法の柔軟性など、様々な要素を考慮して、最適な配送業者を選びましょう。
また、越境ECの状況に合わせて、発送方法を使い分けることも重要です。
特に、配送先の国や地域によって、得意な配送業者が異なる場合がありますので、上記の「オススメの対応エリア」も参考にしながら、最適な業者を選びましょう。
配送業者選びに迷った場合は、複数の業者から見積もりを取って比較検討することをおすすめします。
最適な配送業者を選ぶことで、顧客満足度を高め、越境ECビジネスの成功に繋げましょう。
株式会社WADACHIは、越境ECモール販売実績30サイト以上、越境EC輸出配送実績10万件以上、越境EC流通総額67億円以上の実績を持つ、越境EC及び国際物流の専門家です。
豊富な経験とノウハウを活かし、お客様の越境ECビジネスをサポートいたします。
配送業者選びから海外発送手続きまで、お気軽にご相談ください。
越境EC成功のカギを握る物流戦略については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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